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続世継
七/堀河の流
為隆宰相は、大弁にて中納言に成んとしけるにも、宰相中将なれども、大弁におとらず、何ごともつかへ、除目の執筆などもすれば、うれへとヾめなどし給ける、おほかたのものの上ずにて、鳥羽の御堂のいけほり山つくりなど、とりもちてさだし給とそきこえ侍し、ゆヽしくうへおぞおほくもち給へるとうけたまはりし、六七人ともち給へりけるお、よごとにみなおはしわたしけるとかや、多はすみなどおもたせて火おこしたる、きえがたにはいでつヽ、よもすがらありきたまひて、あさいおうまどきなどまでせられけるとぞ、さてそのうへどもみななかよくて、いひかはしつヽぞおはしける、