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三のしるべ

古事記、八千矛神の后の歌よみしたまふ段に、爾其后取大御酒坏、立依指挙而歌曰、〈○中略〉此歌のこヽの意は、女命こそは男にてませば、いづくにもいづくにも、遺る処なく妻お持ておはすらめ、吾は女なれば、女命おおきてほかに夫はなしといふこヽろなり、これは男は身のほどにあはせては、いくら妻おもちたらんもあしからず、女はたヾひとりのみ夫はもつべき婦道の教へあるによりて、かくはいひ給へるなり、