[p.0201][p.0202]
倭訓栞
中編三十/於
おぢやう 東国の俗語に、貴家の処女おいふ詞也、お女郎の転説といへど、阿娘の音也、娘は尼良切にて嬢と通ず、尊称なり、天子は母后お称し、宮人は皇后お称して娘々といふ、俗語には女お尊て大娘とし、父母お称して邪娘といへり、されば阿娘は古へ姫と雲が如しといへり、