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古史徴
一夏/開題記
新撰姓氏録の論
児(みこ)と雲るは、古は生子(うみのこ)おも裔子(はつこ)おも広く古といひ、生親(うみのおや)おも先祖(とほつおや)おも広く於夜と雲りしかば、朴略に児といひ伝けむお、其随に記し伝たる物なるべし、〈○註略〉なほ姓氏録お読まむ人の為に、記し出まほしき説は甚々多有ども、大抵は漏しつ、其は一節ありて、故実お明むるに要旨とある氏々は拓ひ採りて、此成文に神々の御名の出たる処、また人々の名の出たる処々に挙つれば、己が思ひ得たる事の限は、其処の伝に委く註せるお見るべし、