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神皇正統記
仲哀
第十四代、第十四世、仲哀天皇は、日本武尊第二の子、景行の御孫なり、御母は両道入姫、垂仁天皇の女なり、大祖神武より第十二代景行までは、代のまヽに継体し給ふ、日本武尊世お早くし給ひしにより成務是お継給ふ、此天皇お太子として、ゆづりまし〳〵しより、代と世と代れるはじめなり、是よりは世お本としてしるし奉るべき也、〈代と世とは常の義差別なし、しかれどもおほよその紹運と、まことの継体とお分別せんために書分たり、但字書にも其いはれなきにあらず、代は更の義也、世は周礼の註に、父死て子立お世と雲とあり、〉