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古事記伝
四十三
五世之孫は、伊都々芸能美古(いつヽぎのみこ)と訓べし、〈続後紀十五の歌に、那々都義乃美与爾雲々、古今集序に、世はとつぎになむなれりける、此らは御代嗣の数お雲るなれど、父子の世継も同じことなり、さて孫はかくさまのは、みまごと訓は非なり、此は子の子のよしには非ず、後裔のよしなればなり、まごとは、子の子に限りて雲り、且古は子の子おば、比古とこそ雲れ、麻碁と雲は後なり、さて美古とまは、広く後裔まで通へる称なれば、凡て幾世之孫とあるは、みな美古また古と訓むべし、〉