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神皇正統記
神代
第三代天津彦々火瓊々杵尊、天孫とも皇孫とも申、皇祖天照太神高皇産霊尊、いつきめぐみまし〳〵て、葦原の中洲の主となしてあまくだし給はんとす、援に其国邪神あれてたやすく下給ふ事かたかりければ、天稚彦と雲神おくだしてみせ給ひしに、大女の神の女下照姫にとつぎて返り事申さず、三とせになりぬ、依て名なし雉おつかはしてみせられしお、天稚彦射殺しつ、其矢天上にのぼりて太神の御まへにあり、血にぬれたりければ(○○○○○○○○○)、怪め給ひて投下されしに、天稚彦新嘗してふせりける胸にあたりて死ぬ、世に返し矢お忌は此故なり、