源平盛衰記
一
兼家季仲基高家継忠雅等拍子附忠盛卒事
太宰権帥季仲卿は、余に色の黒かりければ(○○○○○○○○)、人黒帥とぞ申ける、蔵人頭なりける時、それも穴黒々黒き頭哉、如何なる人の漆塗らんと、拍子たりければ、季仲卿に並て御座ける、基高卿の舞れけるに、此人余に色の白かりければ、季仲卿の方人と覚しくて、穴白々白き頭哉、如何なる人の簿押けんと、拍し返しける、殿上人もおはしけり、
太宰権帥季仲卿は、余に色の黒かりければ(○○○○○○○○)、人黒帥とぞ申ける、蔵人頭なりける時、それも穴黒々黒き頭哉、如何なる人の漆塗らんと、拍子たりければ、季仲卿に並て御座ける、基高卿の舞れけるに、此人余に色の白かりければ、季仲卿の方人と覚しくて、穴白々白き頭哉、如何なる人の簿押けんと、拍し返しける、殿上人もおはしけり、