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発心集

伊予僧都の大童子頭光あらはるヽ事
奈良のみやこに、伊予僧都といふ人ありけり、白河院のすえにやあひ奉りけん、ちかき世の人なるべし、その僧都のもとに、としごろつかう大童子ありけり、あさゆふに念仏お申事、時のまもおこたらず、ある時僧都の夜ふけて物へゆきけるに、此わらは火おともして、くるまのさきにゆくおみれば、火のひかりに映じて、かしらのひかりあらはれたり、