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平家物語

那都羅の事
御母ぎそめ殿の后より、御つかひくしのはのごとくに、しげうはしりかさなつて、御かたすでにまけいうに見ゆ、いかヾせんと仰ければ、えりやう和尚は大いとくのほうお行はれけるが、こは心うき事也とて、とつこおもつてかうべおつきやぶり、なづき(○○○)おくだし乳に和して、ごまにたきくろけぶりお立て、一もみもまれたりければ、よしおすまふにかちにけり、