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落窪物語

少将さは苦しからずとて、めもまうけでやみ給なんや、少輔あはする人や侍るとてまち侍なり、少将いでまろあはせ奉らん、いとよき人ありとの給へば、さすがにえみたるかほいろはゆきのしろさにて、くびいとながうて、かほつきたヾこまのやうにて、はなのいらヽぎたることかぎりなし、ひヽといなヽきて、ひきはなれていぬべきかほしたり、むかひいたらん人は、げにわらはではえあるまじ、いとうれしきことに侍るなり、