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源氏物語
五十四/手習
ものおぢせぬ法師およせたれば、鬼か神かきつねかこ玉か、かばかりの天の下のけんざのおはしますにはえかくれ奉らじ、なのり給へ名のり給へと、きぬおとりてひけば、かほおひきいれていよ〳〵なく、いであなさがなの木玉のおにや、まさにかくれなんやといひつつ、かほおみんとするに、昔有けんめもはなもなかりける、