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宇治拾遺物語

今はむかし、円融院の御とき、内裏焼にければ、後院になんおはしましける、殿上の台盤に人々あまた著て物くひけるに、蔵人さだかた、大ばんにひたひおあてヽねぶりいりて、いびきおするなめりとおもふに、やヽしばしになれば、あやしと思ふ程に、台盤にひたひ(○○○)おあてて、のどおくつ〳〵とくつめくやうにならせば、〈○下略〉