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源平盛衰記

成親已下被召捕事
入道〈○平清盛〉余に腹お立て為方なかりければ、縁の上にて三踊四躍躍給ふ、猶腹お居兼て、大庭に飛下、西光が頬(○)お蹴たり、蹈たりし給けれ共、西光はろは少も減ず、去て其は左は無りし事か、彼は有し事ぞかし、哀足手だにも安穏ならば、報答申してんと雲ければ、入道如何様にも謀叛の次第委く、相尋て後、しや口割て誡よと宣ひければ、松浦太郎高俊、栲木に懸て打せため、事の興お尋けり、