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倭訓栞
前編二十九/末
まゆ 眉およめり、目上の義.うへ反え転じてゆとなる也、又日本紀にまよともよめば、目依の義にや、出羽にてまゆけお、まみあひとも、こぬけとも、常陸上総にてやまといへり、今長崎平戸の婦人は眉お去ず、近江君が畑といふ所は、伊勢員弁郡に隣る一村の婦人、眉おそらず歯お染ず、惟喬親王の住せ給ふといひ伝へり、奥の柳川あたりも婦女眉おとらず、婦人眉お去ることは、唐文宗詔に、高髻倹粧去眉開額と見えたれば、唐より効へるにや、