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増鏡
十三/秋のみ山
公泰宰相中将、剣璽の役つとめらる、さくらもえぎのうへのはかま、かばざくらのしたがさね、山ぶきのうきおりものヽきぬ、紅のうちたるひとへおかさねられたり、しろくまろくこえたる人のまゆい£ふとくて、おいかけのはづれ、いなきよげと、たのもしぐ見えられし、