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安斎随筆
十二
抜眉歯黒 堤中納言物語むしめづる姫君の巻に雲、人はすべてつくろう処あるはわうしとて、まゆさらにぬき給はず、はぐうめさらにうるさし、きたなしとてつけ給はず、いとしろらかにえみつヽ、このむしどもおいしたゆふべにあいし給ふ雲々、是にて考るに.眉毛ぬき、歯おくろむる事は、久しき世よりあり来たれる事也、