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年々随筆

女の眉そる事は、黛もて画んとての事なり、さるははえ際のしどけなき所、色のこきうすき所などありて、わろびたれば、それおそり落して、おもふまヽに画くなり、今大かたは剃たるまヽにて、かヽむ物ともおもひたらぬは、無沙汰なる事なり、又はぐうめは、色のきはみてきたなげなるおかくさむ料なり、共に女しく物心つきたるおもむきなり、俗にこれお元服といふはあらぬ事ながら、おとなになりたる意はかよへり、