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空穂物語
俊蔭一
としかげ〈○中略〉その山にいたりて見わたせば、千丈の谷のそこにねおさして、すえは空につき、えだはとなりの国にさせるきりの木おたうして、わりごつくる者あり、頭のみお見れば、つるぎおたてたるがごとし、足手おみればすきくはのごとし、眼おみれば(○○○○○)かなまりのごとくきらめきて、いみじき女おきなこどもむまごなどいて、がうべおつどへて、木おきりこなす、