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太平記
三十六
清氏叛逆事附相模守子息元服事
清氏〈○細河、中略、〉舎弟兵部大輔と、いとこの兵部少輔二人お近付て、〈○中略〉早く此より将軍へ帰参して、清氏が所存おも申開き、父祖の跡おも失はぬ様に計ひ給へ、是我お助る謀、又身お立る道なるべしと涙お流して宣へば、両人の人々、押ふる涙に咽(○○○)て、暫しは返事にも不及、