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太平記

資朝俊基関束下向事附御告文事
冬房謹て申けるは、〈○中略〉先告文一紙お下されて、相模入道が忿お静め候ばやと申されければ、主上〈○後醍醐〉げにもとや思食れけん、さらば軈て冬房書と仰有ければ、則御前にして草案おして是お奏覧す、君且叡覧有て、御泊の告文にはら〳〵とかヽりけるお、御袖にて押拭はせ給へば、御前に候ける老臣皆悲諦お舎まぬは無りけり、