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宇治拾遺物語
五
是もいまはむかし、ある僧、人のもとへいきけり、酒などすヽめけるに、氷魚はじめていできたりければ、あるじめづらしく思てもてなしけり、あるじようのことありてうちへ入て、またいでたりけるに、この氷魚のことの外にすくなくなりたりければ、あるじいかにとおもへどもいふべきやうもなかりければ物がたりしたりけるほどに、この僧のはな(○○)より氷魚のひとつふといでたりければ、あるじあやしう覚て、そのはなよりひおの出たるはいかなることにかといひければ、とりもあへず、此比の氷魚は目はなよりふり候なるぞといひたりければ、人みなはとわらひけり、