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落窪物語

四の君の御人は、あやしきことかな、これにはいみじうほめ給ふめるものお、はなこそなかにおかしげにて、おはすとこそいはるめれとの給へば、少なごんてうろうしきこえさせ給へるなり、御はななんなかにすぐれて見ぐるしうおはする、はなのうちあふぎいらヽぎて、あなの大きなることは、左右にたいたて、しんでんもつくりつべくなどいへば、いといみじきことかな、げにいかにいみじう思ひ給らんなど、かたらひ給ふほどに、中将の君うちよりいといたうえひてまかでたまへり、源氏物語