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源平盛衰記

成親已下被召捕事
入道殿も是程は知給たるらめ、去ばいはんと思ひつ主、休よ語らんと雲ければ、栲木より下して、硯紙取寄て聞之、西光有の儘にぞ雲ける、執事別当新大納言殿、院宣とて催れしかば、院中に被召仕身として、不協と申べきにあらねば、平家一門打失て、西光も世にあらんと思て与して侍き、院宣の趣き誰か可奉背とて、始より終まで白状四五枚に記して、判形せさせて後.高俊西光法師が頭お蹈て口お割(○○○)、重て誡置てけり、