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倭訓栞
前編八/久
くちびる 唇おいふ、口縁(へり)の義なり、釈にも口の縁也といへり、下唇は地閣なり、平治物語に、口びるおかへしてにくまぬものぞなかりけると見ゆ、西土にも反唇と書り、俗に唇薄きものはよく物おいふといへるは、霊枢に唇薄軽言と見えたり、