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源平盛衰記
十八
文覚清水状天神金事
文覚が雲事、竜神の心にや協ひけん、沖吹風も和て岸打浪も静也、其時にこそ舟中の者共は安堵しつヽ、安貴(あなたうと)安貴、是程に竜王お随へ給程の上人お、忝も舌の和(○○○)なる儘に、口に任て訕申ける事の浅増さよ、いかに加様の貴人おば、奉流やらんとてこそ悦けれ、