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徒然草

もろこしに、許由といひつる人は、更に身にしたがへるたくはへもなくて、水おも手してさヽげて、のみけるお見て、なりひさごといふものお、人のえさせたりければ、ある時木の枝にかけたりけるが、風にふかれてなりけるお、かしがましとてすてつ、又手にむすび(○○○○○)てぞ水ものみける、いかばかり心のうちすヾしかりけん、