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太平記
十八
金崎城落事
由良長浜二人、新田越後守の前に参じて申けるは、〈○中略〉見苦しからん物共おば、皆海へ入させられ候へと申て、御前お立けるが、余りに疲れて足も快く立ざりければ、二の木戸の脇に、被射殺伏たる死人の股の肉お切て、二十余人の兵共、一口づヽ食て、是お力にしてぞ戦ける、