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貞丈雑記
一/礼法
一古は貴人の御前に伺候するには、左のひざお立、右のひざおふせて座しける也、宗五一冊抜書に雲、人の相伴の事、貴人の前にては、ひざお左の方お立てあるべし、すはり候物の時は、ひざなほしくふべし雲々、左のひざ立るは、たヾ座する時、貴人の前にては如・此する也、酌おとる時は、右のひざお立る也、条々聞書酌並記等にあり、今の世にては、かたひざ立るお、無礼の様に心得る也、古はかたひざ立るお礼とす、