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松屋筆記
百三
額髪(ひたひがみ)
与清曰、額髪は男女ともに、額にある髪の総名也、尼にもいふは、垂尼(たれあま)とて、振分髪などやうに切たる髪なれば、額髪も有し也、男子もいにしへは総髪なれば也、䭮鬌(すかヾみすヾしろ/ ○)、いづれもおなじ額髪なれど、鬌は小見の前髪にて、目ざしともいふこれ也、䭮は額髪の事也、又和名抄〈十四巻の容飾具部〉に、釈名雲、蔽髪蔽髪前為飾也、和名比太比、とあるものは、女房の額の飾具なり、又上古ひさご花にも結し也、