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歴世女装考

たぼの名義
此説〈○玉勝間〉にて、たぼはたわの転語にて、髪にくせのつきて、彭〓(ふくれ)たる古言なるおしるべし、異本枕さうし似気無物の条に、したかみたわつきたる人の、あふひつけたるとあり、按にたわは撓の義なり、契冲法師の河社に、今も山里のものヽ、山のひくヽてたわみたるやうの所おいふ詞なりとあり、和訓栞にも、大和に鳥こへのたわといふ所ありといへり、しかればたぼ本名はたわにて、びんの撓みたるお名づけてよぶ名也、又つとといふは、かみのつどひ出たる名なるべし、びんごの尾の道辺にては、今も坂おたおといふと、ある人いへり、