[p.0528]
半日閑話
十二
明和五年十二月十三日、公にて女御御入内の御祝儀認出仕有れ之、近来男子の風甚美にして、髪は本多とて、中剃お大くして、髷お高く結ふ、鬢は下鬢とて、油おつけず、櫛の歯お入、毛筋お通し、後の方は油おつけ可置、其堺お潮堺と雲、眉は三日月とて細くぬく、衣服は細袖に薄綿にて、重て著るに便にす、此頃の諺に雲、疫病本多癩眉宿なし姿、