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松屋筆記
九十二
すべし髪すべらかし髪
女の髪おすべし髪とも、すべらかしともいふは、背後鵝垂るヽおいふ、髪(みぐし)はよほろばかりなど、物にいへるこれ也、海東諸国記国俗部に、婦人抜其眉、而黛其額、背垂其髪、而結之以䯲(かもじお)、其長曳地とあるは、女の眉毛お剃て、額にぼう〳〵眉おつくり、すべらしの髪にせし体也、結之の結は、続の誤写にやあらん、按異称日本伝下四巻〈八丁お〉に引たしるには、続之に作れり、女の容飾の事、庭の訓、乳母草子など考合すべし、