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源氏物語
五/若紫
十ばかりにやあらんとみえて、白ききぬやまぶきなどのなれたるきて、はしりきたる女ご、あまたみえつるこどもにヽるべくもあらず、いみじうおひさきみえて、うつくしげなるかたちなり、かみはあふぎおひろげたるやうに、ゆら〳〵として、かほはいとあかくすりなしてけり、