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松屋筆記
六十七
髪の貌
男女の童子が、年比に従て総角とて、左右に角の如く挙て巻結なり、古くはこれお美豆羅といひ、後にびんづらともいへり(○○○○○○○○○○○)、女は童放(わらははなり)にもあれ、うない放(はなり)にもあれ、年比に随ひて髻髪(かみあげ)せし也、〈○中略〉按に、倠馬楽に角総の歌あり、神功紀に、橿日浦にて、御髪お解て海に入、洗ひ給ひて、占給ふに、御髪自〈ら〉分れたるお、即分れたるまヽに結て髻とし給へるも、男子の貌に出立給ひしなり、