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源平盛衰記
十九
文覚発心付東帰節女事
女〈○源渡妻袈裟〉暇お得て家に帰、〈○中略〉夫おば帳台の奥にかき臥て、我身は髪お濡し、たぶさに取て、烏帽子お枕に置、帳台の端に臥て、今や今やと待処に、盛遠夜半計に忍やかにねらひ寄、ぬれたる髪おさぐり合て、唯一刀に首お斬、