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瘍科秘録

駢拇枝指
駢拇枝指は荘子に出づ、駢拇の駢は、晋文公駢脇の駢と同義にて、生れながら二指附合て一指と成りたるなり、然れども爪と骨とは自ら分れて二条(すぢ)になりてあるものなり、水鳥の足の膚の切ぬに似たり、或は本は一指にて、半より二指に分れたるもあり、或は左右の手共に同じ指の駢拇になりたるもあり、或は小児の時、指の股(また)へ灸お灼(すえ)、大に煉れ、愈るに従て指の附著することあり、或は火焼痘瘡(やけどとうそう)等にて、亦指の附ことあり、皆駢拇に属すべし、