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倭訓栞
前編三/伊
いのち 命おいふ、気内(いのち)なるべし、大集経に、息出入名為寿命、一息不還即為命終と見えたり、後漢朱穆伝に、情為恩使、命縁義軽と見ゆ、運は天にあり、命は義によつて軽しの世話、ここに本けり、歌にいのちなりけりといひ、させもが露おいのちにてなどいふは、命脈のたえぬばかりなるおいへり、今の俗語にいふも此意なり、