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古事記伝

死は志邇(しに)と訓べし、書紀雄略巻歌に、伊能致志儺磨志(いのちしなまし)とあり、〈なほ万葉にも数しらず多し〉古言なり、志爾は過去(すぎいに)なり、須岐(すぎ)は志(し)と切る、志奴留(しぬる)は過去(すぎいぬ)るなり、〈然るお志邇は、死字の音とおもふは非ず、〉