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万葉集
三/挽歌
大津皇子被死之時、磐余池般〈○般恐坡誤〉流涕御作歌一首、
百伝(もヽづたふ)、磐余池爾(いはれのいけに)、鳴鴨乎(なくかもお)、今日耳見哉(けふのみみてや)、雲隠去牟(くもがくれなむ)、
神亀六年己巳、左大臣長屋王賜死之後、倉橋部女王作歌一首、
太皇之(すめろぎの)、命恐(みことかしこみ)、大荒城乃(おほあらきの)、時爾波不有跡(ときにはあらねど)、雲隠座(くもかくれます)、
七年〈○天平〉乙亥、大伴坂上郎女悲嘆尼理願死去作歌一首〈並〉短歓、〈○長歌略〉
留不得(とヾめえぬ)、寿爾之在者(いのちにしあれば)、敷細乃(しきたへの)、家従者出而(いへおばいでて)、雲隠去寸(くもかくれにき)、