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倭訓栞
中編十三/多
たかい 死するお他界といふは和語なり、東鑑に見えて、もとは上下通ぜし詞と見えたり、海人藻芥にも、常の人に逝去他界と申べき也と見ゆ、今は妄に称せられず、本朝通鑑には、頼朝以来の武将は新例お立て、皆殂と書せり、長明が海道記に、つひに十念相続して、他界にうつりぬといへば、仏氏の意なるべし、