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保元物語

北方身投給事
為義入道の妻、〈○中略〉さらば舟岡へとて、桂河お上りに、北山お差て行程に、五条がすへの程に、岸高く水深げなる所にて、輿お立させ、石にて塔おくみ、入道より始四人の君達の為と廻向して、懐袂に石お入、〈○中略〉岸より下へ身お投て、終無墓成給ふ、乳母の女房是お見て、連て河へぞ入にける、