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近世奇跡考

成瀬川土左衛門
享保九年午六月、深川八幡社地の、相撲の番附お見しに、成瀬川土左衛門〈奥州産〉前頭のはじめにあり、案るに、江戸の方言に、溺死の者お土左衛門と雲は、成瀬川肥大の者ゆえに、水死して混身膨ふとりたるお、土左衛門の如しと、戯いひしが、つひに方言となりしと雲、