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古今著聞集
十三/哀傷
従二位家隆卿はわかくより後世のつとめなかりけるが、嘉禎二年十二月廿三日、病におかされて出家、〈○中略〉四月〈○安貞元年〉八日、宿執や催されけん、七首の和歌お詠ぜられける、〈○歌略〉かくて九日、かねて其期お知て、酉刻に端居合掌して終られにけり、本尊おも安置せざりけり、
隻今生身の仏来迎し給はずんば、本尊よしなしとぞいはれけり、