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類聚名物考
凶事一
断抹磨(○○○) だんまつま 断末磨
死期の若痛の甚しきおいふに、断抹磨のくるしみと雲ふ、智度論には、刀風解形、死苦来逼といひ、道綽禅師は、刀風一至、百苦襲身ともいへり、刀風は剣の如き風の来りて、身お切くだくおいへり、皮の切るゝお断と雲ふ、肉の裂るお抹といひ、骨の摺砕るお磨といふなり、百千の戈剣にて身お裁裂が如きにたとへたり、一説に断抹磨は梵語なりといへども未考出、