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古今著聞集
十五/宿執
六はらの別当長慶は、院禅がびはのでし也、最後の時、時元とぶらひに来りたりけるに、かきおこされて、倍臚の唱歌、今一度し給へ、承らんといひければ、時元いふがごとくにしければ、ほろ〳〵となきて聞けり、入滅の時も秋風楽お聞て、三帖喚頭に至程に、遷化しにけり、