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倭訓栞
前編三十二/米
めぐし(○○○) 神代紀に憐愛およめり、万葉集にも、妻(め)子みれば、めぐしうつくしと見えたり、めぐむ意なるべし、〈○中略〉
めづる 愛およめり、芽出の義、草木の萌芽は仁愛の意思あり、日本紀に感字おもよめり、めでともいへり、〈○中略〉
めで(○○) 日本紀の歌に、桜のめでと見えたり、愛の義也、ほめいでるの略語といへり、されど芽出の義、草木に譬へいふならん、源氏に感嘆称愛の意お、めでくつがへるといへり、〈○中略〉めでたし(○○○○) 愛(めで)たき也、たきは希ふ詞也、よて遊仙窟に、可愛およめり、めではほめいでの略、たきはいたきにた、其事お強からしむる辞也ともいへり、