万葉集

二/相聞

石川女郎贈大伴宿禰田主歌一首
遊士跡(みやびおと)、吾者聞流乎(われはきけるお)、屋戸不借(やどかさず)、吾乎還利(われおかへせり)、於曾能風流士(おそのみやびお)、
大伴田主、字曰仲郎、容姿佳艶、風流秀絶、見人聞者、靡不歎息也、時有石川女郎、自成双栖之感、恒悲独守之難、意欲寄書、未逢良信、援作方便、而似賤嫗、己提鍋子、而到寝側、哽音局足、叩戸諮曰、東隣貧女、将取火来矣、於是仲郎、暗裏非識冒隠之形、慮外不堪拘接之計、任念取火就跡帰去也、明後女郎既恥自媒之可愧、復恨心契之弗果、因作斯歌、以贈諺戯焉、
大伴宿禰田主報贈歌一首
遊士爾(みやびおに)、吾者有家里(われはありけり)、屋戸不借(やどかさず)、令還吾曾(かへせるわれぞ)、風流士者有(みやびおにはある)、