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倭訓栞
前編四十二/和
わらふ 笑およみ、又哂およむ、新撰字鏡に、嗤も嘕もよめり、真名伊勢物語に、笑ひ恥かしむる意お得て、慚字おわらひけるとよめり、笑のくせある事お、説苑に夙笑といへり、嬉笑は巍書崔光伝に見え、窃笑は戦国策に見え、匿笑は程史に見え、傍(そひ/もちひ)笑は竜城錄に見え、訕笑は唐書に見え、巧(よく)笑は張旭が詩に見え、強(しひ)笑は遼史に見え、帰笑は李賀が詩に見え、忍笑韓偓詩に見え、酔笑は白居易が詩に見え、冷(にか)笑北史に見え、乾(そら)笑は能改斎漫錄に見えたり、智度論にも笑有種種因縁、有人歓喜而笑、有人嗔恚而笑、有軽之而笑、有見異事而笑、有見可羞恥事而笑、有見殊方異俗而笑、有希有難事而笑と見え、事文類聚に、合坐皆笑謂之洪堂と見えたり、