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水鏡
下/淳仁
天平宝字二年八月廿五日、仲丸大保になりにき、〈○中略〉もとの藤原の姓にえみといふ二もじお、くはへたまはせき、これらもみな、太上天皇〈○孝謙〉の御おぼえならびなくて、せさせ給ひしなり、えみといふ姓も、御らんずるたびに、えましくおぼすとて、たまはすとぞ申あひたりし、